長女のヴァイオリンケースを購入した後、バスの時間まで少し余裕があったので、本屋さんにふらっと立ち寄りました。
目に止まったのはピアノを弾く男性の表紙。
「革命前夜」
東ドイツ時代のドレスデンにピアノで音楽留学をする主人公が社会主義の閉鎖的な暮らしの中で素晴らしい音楽、演奏家に出会っていく物語。
これは!運命的な出会い!!(笑)
ワクチン休暇中、薬が効いて比較的頭がはっきりしている時に一気に読みました。
私が留学していた頃とは全くの別世界。
信じられるものは自分の音楽だけかもしれないのに、それさえも失われていく。
しかしその苦しみから救ってくれるのは、やっぱり音楽なんですよね。
生徒さんにどうやって自分に合ったドイツの音楽大学を見つければいいかと質問を受けることがよくあります。
自分が愛してやまない作曲家にゆかりの地、またはその作曲家のことを同じく深く愛している先生がいらっしゃる地を目指すのはいかがでしょうか?
この小説の主人公はバッハを弾くためにドレスデンを選びました。
バッハだったらライプツィヒでは?と思いますが、ライプツィヒとドレスデンは近いし、何より師事したい教授がドレスデンにいらしたようです。
作曲家が生きていた、暮らしていた街に自分も立ち、その足跡を辿ることは本当に感動でココロが震えます。
この小説の中でラインベルガーの作品がひそかに重要な意味を持っているんだけど、実際に聴いてみて、一気に物語の世界が広がりました。
閉鎖的な雰囲気だからこそ、人間はより非現実なロマンティックに憧れるのかな。
私も小説の中の音楽家たちと同様、自分だけの音をずっと探しています。
皆さんも音探しの旅をぜひドイツでやってみてくださいね!
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